中原中也を思う。
「青い空は動かない、
雲片一つあるでない (くもぎれ)
夏の真昼の静かには
タールの光も清くなる」
この一連の出だしの二行の発想にはいつも驚き感動する。
この青い空、中也は何処で見たのだろうね。
映画「野のなななのか」では中也の詩に助けられた。
「夏の空には何かがある、
いじらしく思はせる何かがある、
焦げて図太い向日葵が
田舎の駅には咲いている」
(いじらしいのじはちの濁音です)
病がちの中也は焦げて図太い向日葵が羨ましかったの
だろうか。その田舎の駅は人もまばらの静けさなのね。